歯科医のための精神科領域における患者への対応
①妄想型の対応ポイント
治療者への信頼を高めるために、控え目で友好的な態度が必要です。しかし、過度に親密な態度は避けなければなりません。
②分裂病質の対応ポイント
このタイプの患者は、親密で個人的なかかわりを避けたいという欲求があります。そして、そのために歯科疾患に罹患しても、症状がひどくなるまでは歯科医の助けを借りようとはしません。 プライバシーに踏み込まれたくないという、患者の欲求を認識することが重要です、患者ができるだけ、日常の感覚で医療を受けられるように、工夫しなければなりません。
③分裂病型の対応ポイント
最大限の情動的サポートを与えて患者の不安を減らすようにするとともに、親しい個人的な関係になるのは絶対に避けるべきです。 先生ならきっと完全に治してくれると魔術的な期待を患者は心の中で育てがちなので、この罠に陥らないようにすべきです。 親切だけれども客観的なスタンスを取り、患者が自尊心や安心感を取り戻すのを手伝ってあげましょう。
⑥反社会型の対応ポイント
この型の患者は、権威への疑惑や敵対心を持っています。治療スタッフ側にも、疑惑や敵意が生じることがあります。 ですので、トラブルを起こしがちで、そのためにストレスフルな生活が続き、ストレス病になりやすいです。挑発的な態度については、次第に気づかせることが肝要です。 医療関係者から嫌われる傾向のあるタイプで、重病の徴候がついつい見落とされがちで、不幸な事態になることがあります。 でも、このタイプの人は自業自得な様な気もしなくもないです。気づかせるといっても、気づくくらいならとうに性格も直っていることでしょう。
このように患者のタイプには、様々ありその対応も真逆になりがちなものもあります。 ある患者には、親身で良いという印象を与える行動が、ある患者には、馴れ馴れしいと思われマイナス評価になることがあります。 これらのことは、歯科医のみならずどの産業分野のカスタマーにもいます。私は、どの人がどの型に当てはまるのかどう見抜いていけばよいのかという疑問が残ります。